Falluja, April 2004 - the book
現代企画室刊『ファルージャ 2004年4月』を引き継ぐ形で、
同書共訳者2名がファルージャおよびイラクについてのニュースなどを
英語から日本語にして紹介しています。
本文中の翻訳部分の語句は、原文に即するようにしています。
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「ザルカウィ」
昨日と今日,「ザルカウィ」や「ケネス・ビグリー」を検索してこのウェブログに来られる人が激増している。日本国籍の男性がイラクで「ザルカウィの組織」に拘束されている影響だろうと思う。

私たちがこのウェブログを始めたのは,書籍『ファルージャ 2004年4月』の編集作業が終わってからも「ファルージャ」は続いていたからで,本を出して終わりにすべきではないと考えたからだ。

いや,正直,「ファルージャ」には終わっててもらいたかったッスよ,とっくに。今ごろは,秋の空の下,みなさんで川のほとりでケバブでも食っててもらいたかった……いや,ラマダーンだから,秋の夜空の下,だな。

……「ザルカウィさえいなければどうなっていただろう」と思う。「ザルカウィ」がファルージャにいるのかいないのかすらも,ほんとのところはわからないけれど。

イラクからのウェブログなどで読んだこと。

ファルージャに「イラクで一番美味い」と言われるほどのケバブ屋があったが,そのケバブ屋は先日米軍の爆撃で破壊された。ラマダーンのファルージャで,人々は日々の日暮れの断食あけに集う店も失ったが,「ザルカウィがあのケバブ屋でメシでも食ってたんじゃねーの?」というジョークができた。「ザルカウィがいるってぇんなら,オレの目ン玉ぁん裏まで,ひっくりけぇして探してみやがれ」と言うファルージャの人々の間で。(←なぜか江戸っ子調。)

「ザルカウィ」がファルージャに現れたのはいつか——少なくとも,私が記憶している限り,『ファルージャ 2004年4月』という1冊の書籍にまとめた米国人と英国人のレポート(4月上旬から半ばまでのもの)には,「ザルカウィ」は出てきてなかった。書籍『ファルージャ』に出てくる「過激派」は,南部のシーア派の「ムクタダ・アル=サドル」だった。つまり,4月にはサドルが「時の人」だった。(サドルが最もスポットライトを浴びたのは,8月のナジャフの時だったけれど。)

10月……今や「時の人」は「アブ・ムサブ・アル・ザルカウィ」。一時期あれほど頻繁にニュースに登場したムクタダ・サドルはすっかりhas-beenって感じに見えるかもしれない。

ところで「ザルカウィ」が「時の人」になったのはいつだ? それも,ファルージャ絡みで。

いつもの通り,BBC NEWSを資料としてみる。ニュース検索で,ZarqawiとFallujaをキーワードにして検索。

最初にこの2語が一緒の記事に出てきたのは,Heavy fighting erupts in Falluja (Monday, 26 April, 2004)だが,この記事では「ザルカウィ」への言及は,ファルージャとは関係のない,In other developments:(この他のニュース)の中だ。
Jordanian-born al-Qaeda suspect Abu Musab al-Zarqawi reportedly claims responsibility for suicide boat attacks against Iraqi Gulf oil terminals; the Iraqi oil minister says oil exports are now back to normal


その次は,5月をすっとばして6月になる。In pictures: Falluja raid (Saturday, 19 June, 2004)で,写真ニュースの形式(写真がでっかく掲載され,短い記述が付記されている)。ここで「ザルカウィがファルージャに」という話になっている。より具体的には,「米軍が,この家はザルカウィの仲間たちが使っているとして,1軒の家をターゲットとした(そして何軒もの家が破壊された)」。
A number of houses were destroyed, in what the US said was an attack on a house used by allies of al-Qaeda militant Abu Musab al-Zarqawi.


この記事の,写真ニュース形式でない記事は,US defends deadly Iraq air raid (Saturday, 19 June, 2004)。

つまり,「ザルカウィ」が「ファルージャに潜伏」していると,BBCが米軍の受け売りみたいな書き方で報じるようになったのは6月19日。以降,「ヨルダン人ミリタントのアブ・ムサブ・アル=ザルカウィ」は,一躍「時の人」となってゆく——そして「米国籍“民間人”の死体が晒し者にされたファルージャ」「4月に米軍に包囲されたファルージャ」は,「ザルカウィが潜伏している場所とされるイラクの都市ファルージャ」になってゆく。

そして,少なくともBBCを見る限りは,4月には石油施設(こりゃもちろん「イラクのもの」っていう仮面をつけた「アメリカとイギリスのもの」だが)にボートで自爆攻撃を仕掛けていたザルカウィが,6月には内陸のファルージャに移動してた,ってことになる。

で,忘れてはならないのは,このすっぽ抜けてる5月——Video 'shows US man beheaded' (11 May, 2004)——このシンボリックなオレンジ色の服を着せられて地面に座らせられた白人男性と,その背後にずらっと並んだ覆面の男たちの写真を見ると,私は今でもぞっとする。実は何かのはずみで,キャプチャされたコマ送り画像の1コマを見てしまったのだ。

「ザウカウィ」の「斬首」は,この男性——ニック・バーグさんに始まった。(参考:当時のFOX NEWS記事など。)

当時,米軍はファルージャから撤退していた。(撤退って言っても,市の境界線のすぐ外側に陣取ってたんだけど。)

その後,すっと思い出せるだけで,韓国の人,ブルガリアの人,米国の人,エジプトの人……こうやって挙げていくと胃の辺りが変な感じになるのでやめるが,とにかくいろいろな国籍の人たちが,「ザルカウィ」に「斬首」されている。最も新しい犠牲者は,英国人のケネス・ビグリーさんだ。

斬首だけでなく,銃殺もあった。「拉致・監禁・脅迫」→「殺害(斬首であれ銃殺であれ)」→「ウェブサイトでビデオ発表」が,まるでリチュアルであるかのように行なわれる。拉致された人々の国籍を見ると,もう,外国人なら手当たり次第って感じだ。

しかもこの男は,モロッコやイスタンブールやマドリードでも爆弾を爆発させ,関係のない一般市民を多数死傷させている。

「ザルカウィ」は,「凶悪極まりない,残忍なテロリスト」だ。

「イングランドのフットボーラー」と言えば「ベッカム様」(←やや古い),「韓国のスター」と言えば「ヨン様」,「国際テロ組織」と言えば「アルカイダ」,「エロテロリスト」と言えば「インリン・オブ・ジョイトイ」……くらいの決まったパターンとして,「凶悪極まりないテロリスト」と言えば「アブ・ムサブ・アル=ザルカウィ」というイメージが,5月のニック・バークの殺害以降,できている——BBCニュースでZarqawiをキーワードに検索してみれば,そのイメージが月を追うごとに強まっていくさまがわかるだろう。(ものすごい数の記事があるけれど。)

もはや何かシンボリックな存在になってしまったアブ・ムサブ・アル=ザルカウィ。昨日の夜のニュースでは,異様な目の光をたたえた「ザルカウィ」の映像が流されていた。(こういう目って映画でしか見たことないかも,と一瞬固まった。)

8月だったかな? 記憶が定かではないのだが,とても暑い日に風呂上がりにビールを飲みながら,私は米軍の発表の部分をウェブで読みながら,「こりゃ『とりあえずビール』じゃなくって『とりあえずザルカウィ』だな」と思った。

「ザルカウィ」って,何だろう。

その男がファルージャにいる,と米軍は〈主張〉する。そしてその〈主張〉を,他者の意見を聞くこともなくそのまま通し,彼らの言う「ピンポイントの爆撃」を行ない(彼らの言う「ピンポイント」は,一般人の考える「ピンポイント」とは尺度が違う。っつーか,誤差の幅が違う),大規模な破壊を行なっている。

今でもブッシュやブレアは言っているのだろうか—— now the world is a safer place than beforeと。


投稿者:いけだ

■追記:
Al-Muajahaのこのページのコメント欄に,ブッシュ支持と思われる人物が,Nobody has ever claimed that Zarqawi is the only factor.と書いている。この人は,何について話をしているのだろう。

コメント(0)| Track back(0) | 2004-10-28 19:19:29 | ファルージャの状況
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