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島みやえい子「ひぐらしのなく頃に」 J-POPレビュー女性(さ行)
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 | ひぐらしのなく頃に
フロンティアワークス
島みやえい子, 中澤伴行, 高瀬一矢
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<ダークなサウンドとダークな言葉、そこに絡まる日本的な怖さ>
テレビアニメ「ひぐらしのなく頃に」オープニングテーマ。
このアニメ、もともとは同人サウンドノベルゲームが原作で、ものすごいブームを巻き起こしました。ちょうどこの夏のコミックマーケットにて、シリーズ8作目に当たる完結編がリリースされます。
このゲーム、はっきり言って面白いです。オタク要素も多いのでそういうのに激しい抵抗がある人はちょっと不向きですし、正直言って文章自体はそんなに上手いわけじゃないんですが、かなり怖いです。…そう、ホラー&ミステリーなんです、この作品。絵柄に似合わずというか、この絵柄だからこそというか…
お時間と興味のある方、第1作目が公式サイトで「体験版」として無料ダウンロードできるので、ぜひプレイしてみてくださいませ。後半から世界が一変する怖さ、これはぜひ体験してもらいたいところ。
最近は漫画でも多面展開しているので、「同人ゲーム」と聞いて抵抗がある人は、そちらから入ってみてもいいかもしれません。…本当はゲームから入ってもらうのが一番なんですが。
というわけで宣伝はこのくらいにして、アニメのほうのこの曲も、妖しげでダークな雰囲気に満ちています。浮遊感を感じさせつつノイズっぽいものが混じるバックと、何かの呪文めいたコーラス。そこに『雨だれは血のしずくとなって』とか『ひとりずつ 消されてゆく』というような、不穏な印象を与える言葉が乗ってきています。
そしてそこに重なる、『鬼さんこちら 手のなるほうへ/どんなに逃げても 捕まえてあげる』という遊び歌をベースにしたフレーズ。この言い方と全体の雰囲気で、なんとも言えない不気味さ、薄気味悪さが漂ってくるのですね。
『この指とまれ 私の指に/その指ごと 連れてってあげる』も同様。冷静に考えると、連れて行かれるなら「その指ごと」なのは当たり前といえば当たり前なのですが…でも、わざわざこういう言い方をされると、「えっ」とちょっと戸惑わされます。なんだか不安にさせられる響きですよね、これ。
『ひぐらしが鳴く』夕暮れ、俗に言う「逢魔が時」の風景。遊び歌とひぐらしといった日本的なイメージを多用しつつ、あっちの世界に誘われているような「怖さ」を感じさせます。
島みやえい子
コメント(0)| Track back(0) | 2006年08月12日
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福山雅治「milk tea/美しき花」 J-POPレビュー男性(は行)
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 | milk tea/美しき花
ユニバーサルJ 福山雅治, 井上鑑
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<異性視点から「純粋さ」を射抜き、取り出して称えてみせる>
アコースティックな弾き語りナンバー「milk tea」は、「恋するハニカミ!」のテーマソング。その特徴は、女性の視点と言葉で歌詞が描かれているところ。松本英子に提供した「squall」をセルフカバーしていたり、たまにやるんですよね、彼は。歌い方とかは非常に男の色気を出すような雰囲気なのに、『嫌いじゃないかな/好きになってくれるかな』とか『今夜夢で逢えたら うれしすぎて/泣いてしまうかも』というようなフレーズが、違和感なくはまっているんですよね。
女性で「僕」視点で歌う詞については、以前も何度か触れたことがあります。女性が歌詞中でイメージし歌い上げる少年〜青年像というのは、非常にピュアというか、漫画や小説の主人公のような、汚れなきまっすぐな心を持ったイメージとして描かれることが多いです。でも、断言しますが、実際に思春期の男なんてもんは、そんなキレイなもんじゃない場合がほとんどです。あれこれ悶々として、で自己嫌悪に陥ったりして、かなりモヤモヤしたものを抱えて過ごしていたりするもんです。ええ。
女性が「僕」を歌うときって、そういう汚い部分がすっきり覆い隠されて、すごく純粋な部分だけが取り出されるように感じます。別の性をフィルターにして、男臭さのない上澄みを取り出すような感じ。
で、男性が「わたし」視点で歌う詞も、それと同じような効果があると思うのです。女性が女性を歌うよりも、より客観的に「イメージとしての女性らしさ」を取り出せるというか。
失礼な言い方になるかもしれませんが…きっと女性の世界って、この歌ほどキレイなだけじゃないと思うんですよ。ほら、男って女子校に変な憧れを抱きがちなものですけど、実際に聞いた話ではけっこう凄いことになっているらしいですしね?
ま、女性から見た男性というのももちろん同じことです。男子同士でわいわい騒いでいる姿がいい、っていう女の人いますけど、実際にはバカなエロ話とかばっかりですからね、内容とか。
で、それをあえてキレイなところだけ抽出できるのが、歌のいいところであって。それは決して捏造でも事実隠蔽でも性差別でもなくて、異性の純粋さ、惹かれる部分に「スポットを当てる」描き方なんです。異性視点での詞は、半ば無意識にそういうことを意図しているのでは、と自分は思ったりします。
横道に逸れましたが、この曲の場合は、恋人に思いを寄せる女性の、いじましさとか、口には出さない想いの強さとか、そういった部分にフォーカスしている印象です。「milk tea」というタイトルに象徴されるような、男性にとってのひとつの素敵な女性のイメージ、というところでしょうか。…そんなの男サイドからの勝手な願望だ!と言われるとそれまでですが、そんなに固いことは言わないでおいてくださいな。
また、逆の観点で考えると、このイメージの女性像が想い焦がれる相手の男性というのは、また一種の「男の目指すところ」でもあると思うのです。『笑ってたまに叱ってくれる』ような、『哀しい恋をしてた』女性にそっとやさしくできるような、そんな男性像。歌っている福山雅治は、女性一人称で客観的なひとつの女性像を現出させつつ、自分自身はこちらの男性像に当てはめられるように作っているような。
さて「美しき花」のほうは、明るいサウンドが華やかなポップ寄りの一曲。…メロディライン、なんだかところどころ「桜坂」に聴き間違えてしまいそうになるのですが。『冬来たりなば』の後に『染める桜坂』とかをつなげようとしてしまいます。
福山雅治
コメント(0)| Track back(1) | 2006年08月12日
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倖田來未「恋のつぼみ」 J-POPレビュー女性(か行)
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 | 恋のつぼみ
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 倖田來未, Kumi Koda, Yusuke Kato
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<同性になじみやすい、コミカルかつ一途なキャラクター>
昨年のブレイクから、12作連続シングル発売と波に乗っていたものの、すぐに引き潮になってしまわないためにとても重要なポジションにあった、倖田來未の一曲。結果的には悪くなく、またヘンにどーんと行ってしまうこともなくで、なかなかの好成績だったのではないでしょうか。
「エロカッコイイ」と言われたキャラとはかなりギャップのある、片想いを募らせている女の子が主人公。『大事なときには/いつも最悪。』とか、『心の叫びいつ伝えればいいの???』と、うまくいかない恋愛に振り回されている様がなんだかコミカルだなあ、というよりまさにコミック、少女漫画の主人公っぽいなあと。ちょっとドジで、想いを伝える勇気がなくて、でも一途で、恋愛のことばっかり考えていて…っていう。『ひだまり』を感じさせる相手役も、2極あるうちの「意地悪だけどカッコいいアイツ」じゃないもうひとつの等身大パターンですよね。イメージ的に。さわやか系。
まあ、少女漫画の主人公ってイメージが固まっているけど、それってやっぱり昔から今までずっと受け入れられやすいキャラクターだということで。めっきり男性よりも同性人気を基盤に置くようになった(と思うんですが…)彼女にとって、この共感を呼びやすい少女漫画なキャラ設定が功を奏したんじゃないかなと思ったり。
反面、この恋愛モードなハイテンションは、多数の男にとっては少々厳しいトコもあるんですけど。
顔文字を使ったりのコミカルな表現は、やはり 12作連続の2番目「Birthday Eve」を出しておいたことが有効に働いたのでしょう。いきなりコレだったらもっとリスナーは戸惑ったはず。12枚の中の1枚、飛び道具的なポジションでまず新たな地平を切り開いておいたからこそ、単発の今作も、似た設定を受け入れやすくなったわけですね。やっておくものです、何事も。
まああの12作、新しい引き出しってこっちと歌謡曲&演歌な雰囲気だけだったような気もしますが。
ともあれ、『恋って恐ろしすぎる…』とか『!!!!!』とか、文章のつながりが微妙に「?」だったりとか、全体に適用するんじゃなく「決め所だけ」関西弁になったりとか、そもそも恋の花、つぼみどころか咲き乱れていますよってくらいパッション全開だとか、ツッコミどころは多々あるのですが…でも、他の人で何度か言った気もしますが、こういう「ちょっと拙い」みたいな点もある種より共感を得るもんなんですよね。すっとキレイに表現しちゃったら、ドジで一途な主人公像と合わなくなってきちゃうわけですから。
倖田來未
コメント(0)| Track back(0) | 2006年08月11日
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過去ログ発掘のコーナー その1。 過去ログ発掘。
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さて、このところ仕事が忙しすぎて当たり前のように0時まで会社にいるとかって生活をしているため、更新間隔が空きまくりです。次のレビューを待っている方、どうもすみません。
とはいえ、なかなか新しいレビューを書く暇もないので、ここはひとつ過去の遺産に頼ることにしてみようかなと。
メールマガジン「現代ポップス雑考。」の中で、こちらでの紹介時には特に書いていないのですが、毎回そのときの気分で一曲選んで紹介する「今日の一曲」というコーナーを載せています。これから新しいレビューの更新がなかなかできない時は、その間の埋め合わせとして、こちらのバックナンバーから適当に発掘して掲載してみます。読んでいない人にはちょっとした暇つぶしに、読んだことのある人にも何か新たな発見があれば幸いです。
平日、週1回までという制限でやっていくなら、メルマガを続ける限り尽きることはない、はず。
≪現代ポップス雑考。≫ Vol.007 2005/07/24
#THE BLANKEY JET CITY「風になるまで」
→アルバム「幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする」を聴いたんですが、なんというか凄くシンクロ率の高いアルバムでした。ブランキーは好きな曲と好きになれない曲がはっきりしていて、それは詞や曲から「痛み」を感じられるかどうか、という辺りに境い目があるんじゃないか、と少し思います。
その中でこのアルバムは、「痛み」を感じる歌ばかりでした。
この曲は、「別れと新しい旅立ち」を歌っているのに、流麗なストリングスとひずんだギターが混ざって、嬉しいのか、悲しいのか、清々しいのか重苦しいのかよくわからないんです。でも描かれる言葉は、とても綺麗で、そしてどこか、痛い。
『誰からも愛されずに 知らない世界の中へ』と、愛を拒絶し独り進んでいく。それを何でもないこと、当たり前で正しいことのことのように語るこの歌は、とても悲しいけれど、そんな拒絶の生き様に憧れを抱いたりもして、そうやって異なる二方向の感情に、ひどく揺さぶられます。だから「痛い」と感じるのかもしれません。
 | 幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする
東芝EMI
BLANKEY JET CITY, 浅井健一, 土屋昌巳
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コメント(0)| Track back(0) | 2006年08月10日
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Cocco「陽の照りながら雨の降る」 J-POPレビュー女性(か行)
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 | 陽の照りながら雨の降る
ビクターエンタテインメント Cocco, 根岸孝旨
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<陰から陽へ、恐る恐るながら足を踏み出していくための、リハビリとしての祈り>
復活した歌姫Coccoの、「音速パンチ」に続くシングル。前作はカタカナ織り交ぜ表記の詞とアッパーで乾いたサウンドでしたが、今回はまたそこからも変わって、途切れ途切れの言葉と厚みをつけていく音世界、島唄のような祈りの雰囲気に彩られています。
活動休止前は、何がしか「狂気」あるいは「トラウマ」あるいは「ゆがんだ愛情」のうちのどれかの匂いを常に纏っていた彼女でしたが、この歌からはそれはほとんど感じられなくなっています。『許さないで 私を/失くさないで あなたを』に若干その気配が残ってはいますが、これもまた何かの罪悪感(これも以前のCocconiよく見られる特徴ですが)を持ちながらも、退廃の空気につながっているわけではなく…むしろ『生きるように 歩いた』とあるように、これからのためにケリをつけた、というようなポジティブさを内包しているように思えるのです。
短く並べていく断片的な言葉、そして言葉を紡ぐ代わりに『ハイヤイヨ』と、自らの拠るところである沖縄の祈りの掛け声(らしい)を繰り返し、その中で『守りたい あなたを』という意志を、ふと、こぼす。シングルとしては(実は)珍しく沖縄っぽさを前に押し出してきて、シャーマニックな装いを作りつつも、本質的には、これはある種の「リハビリ」のようにも感じます。明るい場所へ行くための通過儀礼というか、まだ幸せを感じるのに恐々としているというか…陰性から陽性に転じていくために、前作から今作へと、段階を踏んで昇っているような感覚がするのは、自分だけでしょうか。『燦々と 雨』と、陰のイメージを持たれがちな雨というモチーフを鮮やかに描く、そんなところに、彼女の陽への変化が現れてはいないでしょうか。
ところで、島唄っぽいのはメロディラインやアレンジや「ハイヤイヨ」のせいもあるんでしょうけれど、歌い方もまた影響しているなあと。コブシがきいているんですよね。小節の頭に本来ある音が、ちょっと溜めて、遅れて出てきているんですね。これが祝詞というか、祈祷のような雰囲気を出すのにもつながっています。
Cocco
コメント(2)| Track back(0) | 2006年08月07日
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メルマガ、Vol.059発行。 メールマガジン。
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≪現代ポップス雑考。≫ Vol.059 2006/08/06 発行部数:めろんぱん 394/まぐまぐ 52
<雑考バトン:新曲レビューリレー>
・甲本ヒロト「真夏のストレート」
〜ソロだからこその緩やかさとユーモア
<音楽雑考>
○現代J-POP、問題はどこに?
〜そもそも「いい曲」って何だ?〜
さて、突然ですがお盆の時期に一人で北海道まで行くことにしました。何も予定がなければここで更新をしまくって遅れを取り戻そうかなと思っていたのですが、気がついたら飛行機の予約をしていました。ネットで空席照会をしたら、ちょうどいい飛行機が残り1席だったもので、つい。すいません、衝動的な人間なんです。
とりあえずその間はブログ更新もできないでしょうし、メルマガは一週お休みになりそうです。今のうちにご了承をば。
※メルマガについての詳しい説明は、こちらへどうぞ。
バックナンバーも開放しています。
コメント(0)| Track back(0) | 2006年08月06日
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ゴスペラーズ「一筋の軌跡」 J-POPレビュー男性(か行)
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 | 一筋の軌跡/風をつかまえて
KRE ゴスペラーズ, 鷺巣詩郎, 安岡優, Ryuichiro Yamaki, 北山陽一, 山田ひろし, Maestro-T
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<輪に誘いながら代わるがわるに繋ぎ重ねられていく「歌」のための歌>
非常に久しぶりのような気がする、歌唱集団ゴスペラーズのシングル。そして、ハーモニーを重ねて歌い上げるバラードのイメージが強い彼らにあって、今回の「一筋の軌跡」はアップテンポ・ナンバー。
で、これが凄い。はじめから終わりまで、ずーっとハイトーンで走り抜ける構成になっております。休みなく、入れ替わり立ち替わりに披露される伸びやかなボーカル。まさに、かなり高い位置でメロディラインが「一筋」につなげられていくのですね。
『一つになるのさ 一筋の軌跡を追って』詞のメッセージはシンプルで、何度も連呼されるこの一点に集約されています。ここでいう軌跡とは、『溢れる音が/光を集めて 世界を照らす日まで』というフレーズや上に挙げた曲の作りからしても、「メロディライン」…歌そのもの、と想像することができます。音楽、歌への信頼や愛情を示す、あるいは彼ら自身のスタンスを再確認するといった意味合いがあるのかなあと考えたり。
で、「一つになる」といっても、まったく同じものを強制するというわけでもないのですね。『ソロエ チラセ ズラセ ハモレ』とか『1.2.で口ずさむ 3.4.で入れ替わる』とあるように、一斉に歌うというよりも、思い思いに参加していくとか、歌い継いでいくとか、そんな方向性を指し示しているように感じられます。斉唱ではなく、重唱とか輪唱とかの方面、みたいな。まあ、コーラスグループという性質上、全員が同じ音を歌ったら意味がない!というのがあるわけで…そんな彼らの立ち位置も影響しているのかもしれません。
ゴスペラーズ
コメント(0)| Track back(1) | 2006年08月06日
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嵐「きっと大丈夫」 J-POPレビュー男性(あ行)
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 | きっと大丈夫(初回限定盤)(DVD付)
ジェイ・ストーム 嵐, SPIN, 櫻井翔, Shinnosuke, 北川暁, CHOKKAKU
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<音も言葉も陽気で楽しげに盛り上げつつ、実はアレコレ考えていたりも>
嵐の16thシングル。元気よくノリよくのポップナンバーです。ホーンセクションを多用したりバックでユニークに動く楽器が合ったり、ジャニーズ・ソングらしい盛りだくさんの賑やかなアレンジ。これだけの要素をゴテゴテせず詰め込めるのは何か連綿と伝わるノウハウでもあるのかなー、やっぱり。
全体に溢れる陽気さ快活さ、『ラキラキベイブ 仕事はラストのオーマイグルーヴ』みたいな脳天気な歌詞とかは、SMAP「SHAKE」の『チョーベリベリ最高 ヒッピ ハッピ シェイク』あたりを髣髴とさせる感じ。
あえて英語でなくカタカナ表記、しかも「ベイビー」じゃなくて「ベイブ」なとことか、悩みのない楽しげな雰囲気の演出に一役買っていますね。きっと「lucky-lucky babe 仕事はlastのOh my groove」だと、カッコよすぎちゃうんでしょう。もっと身近な、ちょっとしたことで騒げるような近距離の感覚を出したいという意図が、こうしたカタカナ多用につながっているんじゃないかなと思います。
ま、ラップ部分はきっちり英語は英語表記で、ここはカッコよく決めているトコなのかなと(ちなみに、ラップ部分の作詞はメンバー櫻井翔)こうしてラップが混じっているあたりはやっぱり「SHAKE」よりも時代が進んでるなあという。
あと、『回り道も たまには悪くない!/そんなことで 悩んでナイナイ!』みたいなリラックス&ポジティブの呼びかけが主たるメッセージである中で、『若かった季節の 足跡は 波間にキラキラ消えてゆく』というような感傷とか、『世間は甘くない なめてたら すぐにボロが出る』みたいな自戒とかが混ぜられているあたりも、なんだか現代らしいなあと。
『明日からハレルヤ 二人ならヤレルヤ』と徹頭徹尾に脳天気だった時代よりも、今の若者って過去を振り返ったり世間の厳しさを頭においていたり、なかなか考えが深いのかもしれません。そういやこの曲でも『真面目が売りです』とか言ってるしね。
嵐
コメント(0)| Track back(0) | 2006年08月05日
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安室奈美恵「CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK/人魚」 J-POPレビュー女性(あ行)
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 | CAN’T SLEEP,CAN’T EAT,I’M SICK/人魚
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 安室奈美恵, Michico, T.KURA, NOKKO, Nao’ymt
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<切れ目なく流れる旋律の中、パッパッと切り替わる「織り交ぜ型」の言葉>
すっかり独自路線を走りつつ、しかし確かな評価を得ている最近の安室奈美恵です。今作「CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK」も、現在同時代のどんな曲とも違いつつ、かなりクセになる魅力がある感じ。
聴いていると、メロディやバックの切れ目のなさが面白いですね。メロディラインがシンプルで明確な定型を持たずに、つらつらと流れ続けていくので、聴いていてどんどん奥のほうに連れて行かれるような気がしたり。パッと聴いて口ずさめるようなわかりやすさはない代わり、でもなんだか聴いていて印象に残る…そんな作りになっている感があります。
バックの音の切り張りの仕方とか、ウイスパーボイスとか、洋楽っぽい雰囲気を漂わせながら、日本語と英語織り交ぜた歌詞の作り方は昔から続くJ-POPの手法。『その他大勢見えないの Am I fool?』とか『全部ダーリン次第のeveryday』とか…こうして歌なしで書き出すと違和感ありますが、曲に乗るとそう不自然でもないんですよね。恋愛に溺れる詞の内容なのですが、あんまりバカっぽく聴こえてこないのは、彼女のスタイルがしっかりしているからでしょうか。
にしても、『少しめまいがしてきたみたいhold me』とかまで来ると、この「日本語英語織り交ぜ」型の歌詞というのは、ひとつの新しい言語表現になっているんじゃないかとさえ思います。「めまいがしてきた」⇒「だから私をしっかり受け止めて(=hold me)」というように、ここには「流れ」が生じているわけですよね。「めまいがしてきたみたいだから抱きしめて」とすべて日本語で言っても、あるいは英語にしても、混ぜたときのパッとふたつの思考が切り替わる感覚は生じないでしょう。そう考えると、けっこうすごいのかも。ヒップホップのラップ部分でも、韻を踏むときにこういうことが起こりますよね。
カップリングの「人魚」もまたいいですね。NOKKOの代表曲のカバーですが、自分の歌い方のスタイルできっちり勝負しているというか…声の掠れさせ方とか、すっかり板についてきましたし。
それにしても『アカシアの雨にうたれて』ってすごい鮮やかなイメージだなあ。ひらがなが多いこともあり、全体的にやや子供っぽいイメージで彩られているのに、そこに『本気で思った 抱いて抱いて抱いて』というような、強く強く相手を求めるフレーズがビシッと入っているから、聴き手としてはドキッとしますよね。
『すてきな事もさみしさも輝きに似て』と、別種のものをすべて「輝き」にまとめあげてしまうような感性というのは、女性的だなあと思います。で、そんな感性が、「あなた」への一言じゃ表せない、何語かかっても伝えられなさそうな溢れる感情を『抱いて抱いて抱いて』というひとつの呼びかけに集約させるんだろうな、と。
表現を費やすよりも、感情や感覚をどんと投げてしまうことで、その強さ大きさを表すこともできるんですね。
安室奈美恵
コメント(0)| Track back(0) | 2006年08月03日
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メルマガ、Vol.058発行。 メールマガジン。
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≪現代ポップス雑考。≫ Vol.058 2006/07/30 発行部数:めろんぱん 394/まぐまぐ 51
<雑考バトン:新曲レビューリレー>
・mihimaru GT「ツヨクツヨク」
〜前作のインパクトは引き継がず
<音楽雑考>
○現代J-POP、問題はどこに?
〜現代のヒットは「広く浅く型」〜
<深読み歌詞解釈>
・aiko「花火」
〜花火を「見下ろす」視点の意味とは
約半年ぶりくらいに「深読み歌詞解釈」コーナー第2回目を。深読みっていうか、最新チャートではなく過去のヒット曲を扱うコーナーとして、これからも思いつき次第ちょこちょこ書いていきたいところですね。
そういえばMY LITTLE LOVER「ALICE」の、例の意味不明語部分についてひとつ書こう、と考えていたのを思い出しました。すっかり忘れてた。まあ、そのうち。
※メルマガについての詳しい説明は、こちらへどうぞ。
バックナンバーも開放しています。
コメント(0)| Track back(0) | 2006年07月30日
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